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動的モデル 2階道関数・逆関数の導関数

2階導関数

関数y=f(x)y = f(x)の導関数y=f(x)y' = f'(x)について, f(x)f'(x)が微分可能であったとする. このとき, f(x)f(x)は2階微分可能微分可能である.

また, f(x)f'(x)の導関数をf(x)f(x)の2階導関数と呼び, f(x)f''(x)で表す.

すなわち, f(x)=limΔx0f(x+Δx)f(x)Δxf''(x) = \lim_{Δx → 0} \frac{f'(x + Δx) - f'(x)}{Δx}

例:

y=sinxy = \sin xの導関数はy=cosxy' = \cos x

y=sinxy = \sin xの2階導関数はy=sinxy'' = -\sin x

n階導関数

同様に, f(x)f(x)がn階微分可能であるときf(x)f(x)のn階導関数が定義される. f(x)=f(3)(x)f'''(x) = f^{(3)}(x)

逆関数

y=sinxy = \sin xの導関数はy=cosxy' = \cos x y=sinxy = \sin xの2階導関数はy=sinxy'' = -\sin x

関数y=f(x)y = f(x)が1価関数であるとき, f(x)f(x)の逆関数とは, x=g(y)x = g(y)を満たす関数である. 一般に, 独立変数をxx, 従属変数をyyで表すため, y=f1(x)y = f^{-1}(x)と表記する.

sin2x\sin^2 x(sinx)2(\sin x)^2だけどsin1x\sin^{-1} xは逆関数の表記だから(sinx)1(\sin x)^{-1}にはならないという話. 「1-1の場合だけ意味が変わるのですか?」と質問したら, その通りのようです. ややこしい, 初めからsin2x\sin^2 xみたいな表記は使わずに, 累乗は累乗の表記に統一して欲しい. もしくはarcsin\arcsinを使えば良さそう.

y=f(x)y = f(x)が1価関数: 任意のa,ba, bについて, aba ≠ bならば, f(a)f(b)f(a) ≠ f(b)が成り立つ関数.

y=xy = xは1価関数. y=x2y = x^2f(1)=f(1)f(1) = f(-1)のため1価関数ではない.

「1価関数であるというのは単射であるというのと同じ意味ですか?」と質問しました, 一緒だそうです. 写像の話をしているか定かではないので1価関数という名前を使ったそうです. 単射は知っていたけれど, 1価関数という言葉は初めて聞いた気がします.

逆関数の導関数

関数f(x)f(x)の逆関数をf1(x)f^{-1}(x)とする. このとき, f(y)0f'(y) ≠ 0ならばy=f1(x)y = f^{-1}(x)は微分可能であり, ddx(f1(x))=1f(y)\frac{d}{dx}(f^{-1}(x)) = \frac{1}{f'(y)} またはdydx=11dfdy\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{1}{df}{dy}}が成り立つ.

証明. x=f(x)x = f(x)の両辺をxxで微分すると, 左辺は11, 右辺は合成関数微分を用いてdfdy*dydx\frac{df}{dy} * \frac{dy}{dx} したがって, dydx=1dfdy\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{df}{dy}}

三角関数の逆関数の導関数

  1. (sin1x)=11x2(1<x<1)(\sin^{-1} x)' = \frac{1}{\sqrt{1 - x^2}} (-1 < x < 1)
  2. (cos1x)=11x2(1<x<1)(\cos^{-1} x)' = \frac{1}{\sqrt{1 - x^2}} (-1 < x < 1)
  3. (tan1x)=11+x2(<x<)(\tan^{-1} x)' = \frac{1}{1 + x^2} (-∞ < x < ∞)

2の証明

y=cos1xy = \cos^{-1} xx=cosy(0<=y<=π)x = \cos y (0 <= y <= π)の逆関数である.

したがって, (cos1x)=dydx=1dfdy=1siny(\cos^{-1} x)' = \frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{df}{dy}} = \frac{1}{-\sin y}

0<y<π0 < y < πsiny>0\sin y > 0である.

sin2y+cos2y=1\sin^2 y + \cos^2 y = 1より, siny=1x2-\sin y = -\sqrt{1 - x^2}

よって, (cos1x)=11x2(1<x<1)(\cos^{-1} x)' = -\frac{1}{\sqrt{1 - x^2}} (-1 < x < 1)

「途中でyyの範囲が狭まっているのが意味が解らないんですが」という質問をしました. ずっとなんか互いにズレているような会話があり, 「これがわからないのではあれば講義についていくのは難しい」といういつものコメントが入り, 「逆関数の範囲と導関数が存在する範囲は異なる」という回答でわかった気になりました.

演習課題

e×3e × -3って書いたら×に-が続くのはおかしいということでe×(3)e × (-3)に直すことになりました. 数式のルールがわからない…

1の証明がうまく行かない, 2の証明をちゃんと理解していないからだろうか…